【必読】不妊治療費助成金の制度内容と申請方法まとめ

不妊治療費助成金制度まとめ 不妊治療

不妊治療を始めて分かるのが、とにかくお金がかかるということ。
助成金制度を利用して少しでも負担を減らすために、その内容や申請方法、注意すべき点などを確認していきましょう。

不妊治療費助成金制度とは?

そもそも不妊とは、一般的に妊娠が可能な年齢にある夫婦が避妊をせずにいて、一定期間たっても妊娠しない場合を言います。
この一定期間は一般的に1年とされていますが、最近では、妊娠を考える年齢が上がっていることもあり、1年を待たずに病院を訪れるケースも増えています。

不妊治療には、原因に応じて段階的な治療を行っていきますが、特定不妊治療と言われる体外受精や顕微授精は健康保険の適用がありません。
その為、全てが自己負担となり、医療費は高額となってしまいます。

不妊治療費助成金制度」とは、この高額な医療費用の一部を助成する、国の特定治療支援事業に基づいた制度のことです。

※令和3年1月以降、特定治療支援事業が拡充されました

厚生労働省 「不妊に悩む夫婦への支援について」

実際の窓口となるのは都道府県や指定都市などの自治体となります。
申請要件や給付内容については各自治体によって異なる場合がある為、必ずお住まいの地域の助成事業案内を確認して下さい。

申請要件

助成金の申請には、次の要件を満たす必要があります。

①住所 夫婦の一方又は双方の住民登録があること
②所得 前年における夫婦の所得合計730万円未満  撤廃
③夫婦 治療期間の初日に、既に法律上の婚姻をしている夫婦
④年齢 治療期間の初日に、妻の年齢が43歳未満

助成金が受け取れない!?なんてことのないように、助成の対象外となる注意点を確認しましょう。

所得制限

助成金対象外となってしまう理由に所得があります。
要件にある所得の金額は、夫婦2人の合計所得とされていて、共働きの夫婦の場合、設定された金額を上回ってしまうことも多くあります。
東京都では905万円未満と金額が引き上げられていますが、この所得制限はネックとなります。

※令和3年1月以降、所得制限は撤廃されました!
 拡充の適用は令和3年1月1日以降に終了した治療です

年齢制限

妻の年齢が43歳未満と制限されています。
40代での妊娠もめずらしくない近年ですが、加齢とともに妊娠・出産に至る可能性が低下し、リスクも高まるという観点から年齢制限が設けられています。

申請期限

不妊治療が継続していても、申請期限終了となってしまうと受け付けてもらえません。
締切には注意が必要です。

対象治療要件

対象になる不妊治療は、指定医療機関において実施した法律上の夫婦間における「体外受精治療」又は「顕微授精治療」に限られます。

一般不妊治療と呼ばれる「タイミング法」や「人工授精」は対象になりません。

男性不妊治療
特定不妊治療の一環として行った「精巣内精子生検採取法(TESE)」や「精巣上体内精子吸引採取法(MESA)」などの手術も保険適用外の診療に限り、助成の対象となります。

助成内容

助成金額

助成対象となる治療内容によって助成額が変わります。

・1回の治療につき、治療内容により15万円又は7万5千円を上限に助成
・初回申請の治療に限り30万円を上限に助成 → 1回30万円へ拡充
男性不妊治療
・1回の治療あたりさらに最大15万円を助成 → 1回30万円へ拡充

助成回数

・初めて助成を受けた際の治療開始時の妻の年齢が40歳未満
 ⇒ 43歳になるまでに6回 → 1子ごとに6回

・初めて助成を受けた際の治療開始時の妻の年齢が40歳以上43歳未満
 ⇒ 43歳になるまでに3回
 
男性不妊治療は、特定不妊治療と同時に申請をした場合は、両方合わせて助成回数1回として取り扱われます。
また、採卵前に男性不妊治療を行い、精子が得られなかった場合は男性不妊治療を単独で申請することができますが、その場合も助成回数1回として取扱われることになります。

その他の支援

特定不妊治療への助成の他にも、少子化対策の一環として様々な支援が行われています。

・不妊検査の助成
・不育症検査の助成
・早期不妊治療費の助成

実施は自治体によって要件や内容が異なります。
居住地域の支援内容を確認して下さい。

助成金の申請方法

提出書類

※新しい制度の申請に必要な書類や受付開始日等の詳細については、決まり次第順次ホームページなどに掲載予定のため、以下は制度改正前のものです

①助成金支給申請書
②不妊治療実施証明書
③治療費領収書原本+治療内容がわかる書類(請求書・明細書等)
④住民票(世帯全員・マイナンバーなし・発行から3か月以内)
⑤戸籍謄本(戸籍全部事項証明書・発行から3か月以内のもの)
⑥所得(課税)証明書・非課税証明書
⑦振込を希望する銀行口座の通帳コピー

①②は居住地域の保健所で受け取るか自治体のホームページでダウンロードできます
②は病院で記入をしてもらいます
 証明書発行料がかかります
③実施証明書に記載された治療期間のもの
 領収書以外は不可、再発行も不可
④同一年度内の2回目以降の場合は、住所が変わらず申請先が同じであれば省略が可能
⑤初回のみ
⑥4~5月申請:前々年分の所得証明(前年度所得証明書)
 5~3月:前年分の所得証明(今年度所得証明書)
 所得総額と各控除額が記載されているもの
 夫と妻それぞれの証明書が1通ずつ必要
 同一年度内の2回目以降の場合、申請先が同じで1回目と同内容となる場合は省略可
⑦夫または妻の口座名義

申請期限

助成金の申請には期限があります。

申請は1回の特定不妊治療が終了した日の属する年度末までに行う必要があります。
ただし、その年度の2月1日~3月31日の間に終了した治療に限り、5月31日までの申請が受付られるなど、年度末においては特例が設けられてる場合もあります。

治療が終了した日」とは、妊娠の有無の確認の日、または医師の判断によりやむを得ず治療を終了した日を指します。

初回申請後に初回申請の治療終了日よりも前に終了した治療の申請はできません。

複数回分をまとめて申請することはできますが、治療終了の日が属する年度ごとに申請が必要な為、年度をまたぐタイミングでの申請には注意が必要です。

また、自治体によっては治療終了日から60日以内など期限を設けている場合もあります。

申請場所

申請場所は居住地域の保健所です。

すべての提出書類をそろえて申請します。
通常は直接持っていきますが、保健所への訪問が難しい場合などは郵送を利用することも可能です。

ただし、郵送方法に指示があったり、返信用の封筒が必要など、保健所によって対応が異なるので、必ず事前に確認が必要です。
不備があった場合など、郵送だと手続きに時間がかかる場合があります。

助成金の支給

審査の結果、支給要件の合致していれば助成金支給決定が通知され、指定口座へ助成金が振り込まれます。

支給要件に合致しない場合など、支給が出来ない場合には、その理由が記載された助成金支給不承認通知書が発送されます。

通知の発行や振り込みがいつになるかなどは、地域や申請時期によって異なります。
特に年度末近くの2~5月あたりは申請が多く、時間がかかることが多いようです。

終わりに

不妊治療には、時間とそれに伴って高額な費用がかかります。
国や自治体はサポートの為の様々な助成事業を行っていますので、内容を知り上手に利用することで経済的負担を減らすことができます。

現在不妊治療の方やこれから不妊治療をする方、不妊治療を迷われている方にこの記事が少しでも参考になれば幸いです。

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