助成金の年齢引き上げ
2020年4月9日、厚生労働省は新型コロナウイルスの感染拡大で不妊治療の延期を余儀なくされるケースが想定されることから、国が実施する治療費助成の年齢上限を緩和すると発表しました。
・妻が40歳未満の場合は通算6回まで、妻が40歳以上は通算3回までとの条件についても、対象年齢を「41歳未満」「41歳以上」とする
厚生労働省 報道発表資料『新型コロナウイルスの感染拡大に伴い令和2年度における「不妊に悩む方への特定治療支援事業」の取扱いを変更しました』
これは令和2年度に限った措置とのことです。
不妊治療をしている人にとって、助成金が受け取れるかどうかは大問題。
本年度限りとはいえ、延期を選択して助成金が受け取れるか心配だった人には嬉しい決定です。
今回の年齢引き上げは、治療延期推奨の発表から非常に早い対応だったと思います。
不妊治療は保険適用外が多く、経済的負担は大きいです。
長期間になればなおさらです。
少子化を叫ぶなら、本当に子供が欲しくて治療を続ける人にもっと優しい国であって欲しいと思います。
不妊治療の延期推奨のこと
2020年4月1日、日本生殖医学会が「新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、不妊治療の延期を選択肢として患者に提示するよう推奨する」と発表。
「人工授精、体外受精・胚移植、生殖外科手術などの治療に関しては、延期が可能なものについては延期を考慮」するよう求めました。
妊婦が感染した場合に重症化する可能性や妊婦に使うことのできない薬剤治療が行われることなどがその理由です。
時期としては、国内での新型コロナウイルス感染の「急速な拡大の危険性がなくなるまで」もしくは「妊娠時に使用できる予防薬や治療薬が開発されるまで」。
それっていつ?というのが正直な気持ちでした。
1、2ヶ月で危険性がなくなるとも思えないし、薬の開発って年単位なのでは?
不妊治療を受けている身としては、本当に落ち込む発表でした。
まだ妊娠や胎児への影響は明らかになっていませんが、感染したらと思うととても怖いです。
ちゃんと治療が受けられるかも分からない状況では、不妊治療の延期を考えるのも仕方のないことだと思います。
ただ、私のように年齢的に後のない人にとって、それはとても辛い選択です。
国際介助生殖医療モニタリング国際委員会(ICMART)が
「IVF(体外受精)治療をすでに開始されている方には、妊娠を延期するために胚や卵子を凍結保存することをお勧めします。凍結胚や凍結卵子の使用が妊娠率に影響を与えないことは多くのエビデンスにより示されています」
と呼びかけていますが、卵は凍結出来ても母体の歳は止まらないから、と思ってしまいます。
あせる気持ちとウイルスへの恐怖の板挟みです。
難しい判断を迫られます。
治療の延期を勧められたり、そのまま続行したりと病院の対応はまちまちのようですが、状況次第では病院閉鎖のリスクなどもあり、まだ厳しい状態が続きそうです。
今後、このような非常事態が1日も早く収束するように願うしかありません。
みんなが笑顔で過ごせる日々が早く戻ってきますように。