プロテインというと、どうしても筋肉ムキムキになりたい人が飲むもの、という印象が強かったのですが、最近はどうも様子が違うようです。
テレビや雑誌でよく取り上げられるようにり、コンビニやスーパーの店頭などでもプロテイン入りの商品をよく見かけるようになりました。
今までの筋トレ=プロテインというイメージから、ダイエットや美容、健康の為の栄養バランスを補う食品としてのイメージが定着してきているようです。
また、注目なのは妊活や妊娠中にもプロテインはお勧めされているということ。
市販されているプロテインには様々な種類があり、ライフスタイルに合わせて不足しがちな栄養素を効率よく摂取することが可能です。
プロテインとは?
そもそもプロテインとは何か?
日本では、プロテインサプリメント=「プロテイン」と呼んでいますが、そもそもプロテインは日本語で「タンパク質」を意味しています。
タンパク質は肉、魚、卵、乳製品、大豆などに含まれ、体内に取り込まれて消化され、骨、筋肉、内臓、血液、皮膚、毛髪といった体を作る材料となります。
そしてこのタンパク質は毎日入れ替わり、体の組織は新しく作られていくため、タンパク質不足をおこさないように毎日の摂取が必要となります。
タンパク質が不足するとどうなるか?
タンパク質が不足するということは、体を作るもとが足りなくなるということ。
筋力が衰えるなど運動機能が低下したり、免疫機能が低下して病気にかかりやすくなるなど、体の機能維持ができなくなってしまいます。
1日に必要なタンパク質と食事
厚生労働省発表の『日本人の食事摂取基準』(2020年版)によると、30~49歳女性が摂取すべきタンパク質の平均推定必要量は1日40g、推奨量は50gとされています。
もちろん年齢や体格、運動量などによって個人の摂取量は違ってきます。
自分のタンパク質必要量を知る方法として一番簡単なのは、体重1kgにつき1gという計算方法。
50kgの人なら、必要量は50gです。
ただ、これも運動量が多ければ必要量は増加しますし、年齢によって増減します。
また 体重(kg) × 体重1kgあたりのタンパク質必要量(g) という計算方法もあり、タンパク質必要量の係数は運動量によって変わります。
運動習慣のない人:0.8
週に4~5回30分のトレーニング:0.8~1.1
筋力トレーニング:1.2~1.7
「樋口満編著『新版コンディショニングのスポーツ栄養学』より」
さて、必要なタンパク質を食事で取ろうとした場合、いったいどのくらいの量の食事が必要でしょうか?
【普段の食事に含まれるたんぱく質量(g)】
朝・昼・夜の食事をしっかり取っていれば、必要量が摂取できるようにも思われます。
自分の食事内容から、1日どれくらいの量のタンパク質がとれているかを一度確認してみると良いでしょう。
朝食を食べない人、コーヒーだけの人。
昼食を抜いたり、バランスが偏ってしまったり。
毎日、継続して必要量のタンパク質摂取はできているでしょうか?
プロテインの種類
市販されているプロテインは、牛乳や大豆からタンパク質を抽出したもので、普段の食生活で不足するタンパク質を補ってくれるものです。
プロテインは原料や製法でいくつかの種類に分けられますが、よく知られているのはホエイプロテイン、カゼインプロテイン、ソイプロテインの3つです。
ホエイプロテイン
牛乳を原料としたプロテインです。
ホエイとは、乳製品を作る際にできる水溶液のことで、ヨーグルトの上澄みにできる液体のことです。
このホエイに含まれているタンパク質がホエイプロテインです。
認知度が高く、一般的に販売されているプロテインの多数を占めています。
吸収速度が早いため、運動後に摂取されることが多いプロテインです。
また、製法の違いで吸収率や価格などが違ってきますが、比較的高価格です。
カゼインプロテイン
ホエイプロテインと同じく、原料は牛乳。
牛乳から脂肪やホエイを取り除いた後の不溶性固形成分から作られていて、牛乳のタンパク質の8割を占めています。
吸収速度が遅いため、腹持ちが良いのが特徴で、ダイエット中の間食や就寝前の摂取がおすすめです。
ソイプロテイン
大豆を原料としたプロテインです。
日本人は牛乳を飲むとお腹を壊してしまう乳糖不耐症が多く、ホエイやカゼインに含まれる乳糖を消化できないことがあります。
ソイプロテインは植物性なため、乳製品が苦手な人も安心して摂取できます。
また、ソイプロテインに含まれる大豆イソフラボンはホルモンバランスを整え、肌の張りを保ちます。
吸収速度は遅く、比較的価格が安いのも特徴です。
粉末、ドリンク、ゼリーなど、販売されているプロテインの形状は様々です。
コスト面では粉末タイプがおすすめですが、状況によって使い分けるのも良いでしょう。
妊活中のプロテイン摂取
妊活中、気になるのはことは色々ありますが、中でも悩むのは食事です。
何を食べたらいいのか?
何が体に良いのか?
食べ物関連のジンクスなどもありますが、これを食べればOK!なんてものはもちろんありません。
ただ、必要な栄養素の不足は問題です。
十分な栄養素を取ることで、健康的な体作りを目指すことが大切です。
妊活中にプロテインは取ってもいいの?と思うかもしれませんが、妊活や妊娠中におすすめのプロテインも販売されています。
タンパク質だけでなく、ほかの栄養素もバランスよく摂取できるのでとても効率的です。
ただし、注意しなければいけないこともあります。
それは栄養素の過剰摂取です。
葉酸やビタミン、鉄分などをサプリメントで補っている人も多いのではないでしょうか?
このような場合、プロテインを併用することで摂取の上限を超えてしまう場合があります。
上手に取り入れれば助けとなるプロテインですが、摂取量が多くて内臓に負担がかかる場合もあるので注意が必要です。
まとめ
現在、各メーカーから様々なプロテインが出ていて、選ぶのに迷うほどです。
自分の目的にあった種類を選ぶのはもちろんですが、続けるためには、自分の好みに合った味かどうかや価格も重要です。
また、タンパク質以外にも不足しがちなビタミン、カルシウム、鉄分といった栄養素も配合されているので、自分に必要な成分を考えて選ぶのも良いでしょう。
色々と試して自分に合った製品を探し、タンパク質不足を補って健康的な体作りを目指しましょう!